絵柄というものは、描き手そのものを表します。
どんなに隠そうとしても、絵にはその人が出ます。
それは、音楽でも、文章でも、なんでも、そうです。
絵には、そりゃもう端的に、出ます。
とても隠しきれません。
だから、「この絵は苦手だ」とか「この絵は好き」と、見た瞬間に判断されてしまいます。
つまりは、描き手のセンスと読み手のセンスがマッチするかどうか、なんですね。
僕の絵は、自分で言うのも何ですが、あまり新しくないというか、もっとハッキリ言えば古いというか、単調というか、シンプルというか、つまりは「今風じゃない」ということを、僕なりに自覚しています。
皆さんも、本屋さんに行って、いや行かなくても、スマホやなんかで、今時の4コマ漫画を見てみればよく分かります。
僕のような絵は皆無と行ってもいいでしょう。
かわいらしい絵、込み入った絵、セクシーな絵、ウケそうな絵で溢れています。
それが悪い、と言ってるわけじゃないんです。単に、僕には描けない、ということを言いたいわけです。
本当なら、どんな絵でも描けた上で、チョイスすればいいんですが、それは超理想論であり、僕には選択肢がほとんどありません。
この絵しか描けないんです。
だから、とことんこの絵で突っ走ろうと思っています。
「君の絵は古いよ、大昔の絵だよ、今時の絵をもっと勉強した方がいいよ」と、ハナであしらわれたこともあります。
が、僕が「今時の絵」を描いてしまえば、その瞬間に僕は「今時の、沢山いて、掃いて捨てられる絵」になってしまうのです。
たとえ「古い」「流行らない」などと言われても、絵は僕の「顔」ですから、そう簡単に「付け替える」わけにはいきません。
ありがたいことに、徐々にではありますが、この絵も浸透してきています。
というわけで、まだまだ、僕の絵柄は変わらないのであります。
※掲載した漫画は、2017年11月、つまりは今から4年前の絵です。ちっとも進歩がありません。