4コマ漫画は、僕が描ける唯一のラブソングです!

新潟県在住のイラストレーター。4コマ漫画、イラスト、シナリオ、ロゴマーク作成します!

KUTSU WORKS 2020

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これは去年(2021年12月)に描いたイラスト。

まさかこんなにコロナが流行るとは思いもよらず。

今年のサンタクロースはマスク必須だな。

 

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三条マルシェから生まれた、マルシェンヌちゃん。

このキャラクターもようやく1歳になりました。パチパチパチ。

でもまだまだ認知度が足りない!

来年はもっともっと出しゃばるぞ!

 

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まぼろしのキャラ、べー子。

ベーゴマを普及することのみに生きがいを感じている少女。

三条ベーゴマ協会さんよ!オファー待ってますよ!

 

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そういえば、楽器ケースに隠れて?日本を脱出した某車会社社長さんがいたような。

彼は今頃どこで何を…。

眉毛が太くて悪そうな顔してたけど、くっつー的には、どこが犯罪なのか、よく分からないニュースでした。

 

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みんなで4コマ漫画を描いてみよう!という企画の扉絵。

盛り上がったなー。

講評会をFacebookライブでやったりして。

普段漫画を描かない人が描くから面白い。

 

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Facebook大喜利。これも意外と盛り上がった。

みんな揚げ足獲るのが大好き!(俺がそうだから)

テキストベースだから、誰でも参加しやすい。

また、企画しようっと。

 

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ここからは4コマ漫画連発。

最近難しい言葉が多すぎる。

SDGsとか、もはや意味不明。

わかりやすい言葉じゃないと、国民も動かないと思うなぁ。

 

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コロナで世の中自粛自粛の時に、4密?で賭け麻雀して叩かれた人がいました。

結局、あれは何だったんでしょうかね?

僕から見れば、「レート・テンピンならお咎め無し」という、庶民にとって有りがたい前例を作ってくれた、素晴らしい御仁だったと思いますが。

 

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AIはどんどん優秀になっていきます。

そのうち、AIと人間が多目的トイレで不倫する世の中が来るかもしれません。

 

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冬が~来る前に~♪

屋根直さなきゃ。庭キレイにしなきゃ。剪定しなきゃ。畑どうにかしなきゃ。

雪が降って寒くなってから外仕事をするのは辛すぎる。

 

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これは、県の社交飲食業組合の業界新聞用に描いた4コマ。

喫煙者にとって肩身が狭い世の中です。

タバコはキライだけど、中毒にしてさんざん金とっておいて、この仕打ちはひどいなぁ、と思います。

 

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この漫画は、大学の恩師から「いいね!授業で使うよ!」と言って頂きました。

いやー、素晴らしい漫画です。

自画自賛

 

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最近マジでピントが合いにくいような気がするんだよね。

これがカルク・ローガンてやつかな。

 

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これも、ある人から、「くっつーの作品の中で一番面白い」とお墨付きをもらった作品。

いやー素晴らしい。

自画自賛2。

 

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くっつーは、ブルーハーツ真島昌利RCサクセションOASISなどが大好きですが、矢沢さんも大好きです。

でも、こないだ見たら、さすがに老けたなー矢沢さん。表面が老けても、魂が衰えてないから格好いい。

 

いかがでしたか?

2020年作品の振り返り、としたいところですが、それ以前の作品も混じっています。

まだまだやりたいことは沢山あるので、ご期待ください。

 

時間について考えてみました。

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建物の周りは田んぼだらけなわけで。

遠くに見えるは弥彦山

黄色い煙突は田上・加茂のゴミ処理場。

 

田んぼや畑を見ていてよく思うのだけれど、植物というものは、勝手にどんどん育っていく。

人間の都合なんてお構いなし。

芽を出し、花を咲かせ、実を作り、枯れてゆく。

稲とか有用なものばかりじゃない。雑草だって、油断してるとあっという間に背丈くらい伸びてくる。

植物は植物の都合で生きている。

さて、僕ら人間はどうだろうか。

調子が悪いと言っては〆切を先延ばししたり、簡単なものから手を付けたり、仕事の順番を自分勝手にどんどん入れ替える。

簡単に言って、順番を変えられるのが人間。変えられないのが植物。

農家の人は大変だ。農作物都合で動かなければならないのだから。

でも、人間だって、いつも融通が利くわけじゃ無い。

大きく見れば、人間だって抗えないサイクルの中で動いている。

そう考えると、やっぱり時間て大事なんだな、って思う。

時間を有効に使ってこそ、人間らしい生き方が出来る。

大切にしようっと。時間。

アート4コマ『漫喜利 -MANGIRI-』展覧会 優秀賞受賞!

この度、くっつー画伯は、なななんと、

アート4コマ『漫喜利 -MANGIRI-』

にて、「優秀賞」を受賞しました!

ぱちぱちぱちぱち!

ありがとうございます、ありがとうございます!

エントリーしたのは、4コマ・マグカップでございます。

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mangiri.net

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ありがたや、ありがたや。

評価されるというのは、いつにおいても嬉しいものです!

今回は大賞は出なかったので、実質優秀賞がトップということに(なると思います)。

 

<制作秘話>

このマグカップは、もともと、「4コマ漫画をあしらった何か作ってみたいな~」と思ってふらふらしていた時、たまたまネットでオリジナルグッズ制作ショップを見つけ、ほぼ衝動的に作ったものでした。

 

こだわった点としては…セリフを無しにしたことですかね。セリフがあると、どうしても思考が制限されます。

 

セリフがあった方が読みやすいとも言えますが、「その通り」に読んでしまう。

 

当たり前ですけど。

 

なので、セリフを無くすことで、漫画を見る人が自分でセリフを補完して考えるようにしてみました。

 

頭の運動にもなる。

 

このマグカップを朝食時に使って、頭を柔らかくしてくれい!という願いが込められているので、タイトルも「BREAKTHROUGH(突破)」としました。

 

常識にとらわれるな。柔軟になれ。

 

毎朝、コーヒーを飲みながら眺めていれば、1日1日の変化は小さくとも、きっといつか大きな動きに繋がる。

 

そんな気持ちが込められています。

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展示風景の画像です。

池袋にて展示されています。

今回は新型コロナウイルスの影響もあり、授賞式などセレモニーはしないそうです。

見てください。この孤立無援感。

広い会場、そして並み居る力作に囲まれ、ぽつねんと静かにたたずむ4コママグカップ

頑張った!頑張ったよ、我がマグカップ

孤立無援。

孤軍奮闘。

よくぞ、優秀賞に輝いてくれた!

えらいぞあんた!

審査委員長は、くっつーが大好きな、しりあがり寿さん。

朝日新聞に掲載されている「地球防衛家のヒトビト」は大好きです。

 

展示は、

[日程]7月17日(金)〜19日(日)11:00〜19:00 ※最終日は16:00まで
[会場]東京芸術劇場 5階ギャラリー2
[住所]豊島区西池袋1-8-1

となっているので、お近くの方はぜひぜひ会場まで行ってみてください!

ポートフォリオ case of くっつー

くっつー

 

・イラスト

・4コマ漫画

・パラパラ漫画

・ラジオドラマシナリオ

・舞台演劇シナリオ

youtubeシナリオ提供

たとえばこんな…

 

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4コマ・マグカップ。こちら、2020年漫喜利コンテストにて、只今一次審査突破!二次はどうなるか!?乞うご期待!

 

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これは、ある年のクリスマス、あまりに暇だったので、出し抜けにクリスマスカードを作ってみたのです。

 

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これは…タイタンの学校在籍時、太田光代理事長が酔っ払って両足を骨折し(!)、一期生一同でお見舞いの色紙を書いたときの似顔絵です。下書き無しの一発描きなので、マジックを持つ手が震えました。

 

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これはくっつーの本領発揮、4コマまんがです。カラー、モノクロ、どっちも書きます。

 

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新潟が誇る経済誌「財界にいがた」に毎月掲載している時事4コマです。

 

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これは、Instagram用の横にスライドさせる4コマです。ブラック企業あるあるネタですね。

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パラパラ漫画。試験的に。

 

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ちょっと鉄拳さんを意識したりして。

 

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これは…米津玄師の「ゴーゴー!幽霊船」のパクリですね!

 

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これは、ピアノコンサート中、ステージ上で書き上げた(3分で!)に後日着色したものです。佐藤ひらりちゃんのコンサートでした。

 

 

ここから下は、くっつーが提供したシナリオです。なかなかの自信作です!(絵は僕ではありません)


【漫画】視覚障害の友人が横断歩道を渡っていると信号無視の車が走ってきて…(泣ける話)


【漫画】宅急便を届けると何故か遺産相続人に指名されることになり…(泣ける話)【マンガ動画】

 

以上、となります。

最期までご覧頂き、ありがとうございました!

ゴーゴー!デジタルアート船

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漫画を描いて遊ぼう。

ただ描くだけじゃ面白くないから、描いて動かしていろいろやって楽しもう!

手描き(アナログ)×スマホアプリ(デジタル)でもっと面白く!

始めます!

その名も、「ゴーゴー!デジタルアート船」。

なんじゃそりゃ?

タイトルも、扉絵も、米津玄師の「ゴーゴー幽霊船」の丸パクリやんけ!

はい。

そうです!

もともと、この講座の原案は、米津さんのPVからインスパイアされました。

パクりました。

白状します。

いや、パクリじゃない!

これはリスペクトです!

絵を描く。

遊ぶ。

それを楽しむ。

ただそれだけです。

三条市が毎年主催している「わくわく文化未来塾」の1コマとして、この講座を担当させてもらいます。

講師は、はい、もちろん私、くっつーでございます。

内容は…まだ確定していませんが…

などを予定しております。

定員まで若干余裕があるようなので、ご興味のある方、ぜひに。

 

講座名:ゴーゴー!デジタルアート船

対象:三条市内の小学生~高校生

開催日:6月2日より 毎月第1・3火曜日(全8回)

時間:夜7時~8時30分(90分)

定員:10名

参加費:無料

会場:三条東公民館 会議室

申し込み・問い合わせ先:三条中央公民館生涯学習課 0256-47-0048

発振器を持ったサル 番外編

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昨日のことだったような気もするし、1000年前のことだったかもしれない。

そんなお話。

(つづき)

助手 え?発振器がサルの行動をコントロールするんですか?

博士 うむ。そうなのじゃが、その話を続ける前に、このサルの特徴を一つ解説しよう

助手 何か、面白い特徴でもあるんですか?

博士 このサルたちは、集団でいるときに、誰もが望んでいない行動を、「みんなのやりたいこと」とすることがある

助手 はあ?ちょっと何言ってるのかわかりません

博士 つまりだな、ある提案に対して「反対しているのは自分だけだ」と各自が思い込み、「皆が賛成なら仕方ないから私も賛成」という構図となり、結果的に全員が意に反して賛成に回ってしまうということだ。これを「アビリーンのパラドックス」という

助手 は、博士!

博士 なんじゃ?

助手 ますます意味がわかりません!

博士 じゃろうな。たとえば、このサルにある病気が流行ったとしよう。その病気は新型の病気で、まあ、未知の病気じゃ。サルたちは、感染してその一部は重症化して死んでゆく。

助手 い、一大事じゃないですか!

博士 そうじゃ。だがな、病気なんてものはごまんとあるし、旧型だからってすべての病気が完治するわけじゃない。

助手 そりゃそうでしょうね

博士 それに、サルが死ぬ原因は病気だけじゃない。木から落ちて死んだり、思い悩んで自殺するサルだっている

助手 恐れるのは新型の病気だけじゃないぞと…

博士 そう。もちろん、新型の病気は恐ろしい。だが、敵はそれだけじゃない。一つに関わりすぎると、他がおろそかになってしまう

助手 確かにそれは言えます

博士 だから、冷静にデータを取ることが必要じゃ。新型の病気によって、どれだけ影響が出たか。もしかしたら、影響は出ていないかもしれない

助手 えっ?さすがに影響が出てないってことは無いんじゃないですか?

博士 一年に死ぬサルの数は大体決まっている。もし、その数値を明らかに超えていれば、それは新型病気のせいじゃろう。だが、もし死亡総数がさほど変わらないとしたら

助手 つまり、「新型の病気によって死者が増えた」とは言えなくなるわけですね

博士 そういうことじゃ。総数が変わらないなら、別に、この病気があろうがなかろうが関係ないということになる

助手 じゃ、病気を過度に恐れず、楽しく今まで通りに暮せばいいじゃないですか

博士 それが出来なくなるのが、さっき教えた「アビリーンのパラドックス」なのじゃ

助手 どういうことです?

博士 「病気はたいしたことない」「みんな大げさに騒ぎすぎ」「自分は周りに流されずに冷静に判断していこう」と個人レベルでは思っていたとしても、テレビを始めメディアがこぞって新型病気の恐怖キャンペーンやってるから、とてもとても、周囲に言えない。もしそんなことを口にすれば、寄ってたかって叩かれるのが目に見えている。それなら「怖いふりをしておこう」という心理が働く。内心おかしいと思いながらも、みんながそう思っているなら、私一人の反対でぶち壊しちゃいけない、周囲に同調しよう、となる

助手 うーむ

博士 誰しも「新型」というワードには弱い。そしてサルたちは、さらに極端な行動を取るようになる

助手 極端な行動?

博士 この病気は飛沫や接触で感染するから、サルは巣に閉じこもり、外に出なくなる。他のサルと会うこともしなくなる。会えば、病気に感染するリスクが発生するからな

助手 でも、ずっと巣にばかりこもってたら、それはそれで体に悪いんじゃないですか?

博士 その通りじゃ。じゃが、病気の為なら仕方ない。口を布で覆い、巣から出ず、もんもんと過ごす。それだけならまだいい。他所から来たサルを恐れ、憎むようになる

助手 なぜです?

博士 そいつらは、「巣から出ない」というルールを破っている無法者だからな。和を乱す異分子、ってわけだ

助手 へぇ

博士 もし、サルが口を覆わずに外を出歩いていたら、石を投げたり、悪口を言うようになる。

助手 他のサルまで攻撃しなくてもいいじゃないですか

博士 そう。だが、どのサルもそれは言わない。いや言えない。内心「今の動きは行き過ぎてるなぁ」と思っていても、「そう思っているのは自分だけ」という心理が働いて、冒頭に紹介したように、アビリーンのパラドックスに陥ってしまうというわけじゃ

助手 なるほど。ちょっと分かってきました

(つづく)

発信器を持ったサル 前編

銀河のすみっこ、遠い昔か、ずっと先のお話。

 

博士 よし、出来たぞ!

助手 やりましたね博士!おめでとうございます!

博士 おめでとうございますって君、私が何を作っていたか知っているのかね?

助手 知りません!(テヘ)

博士 知らないで祝福するとはどういうことだ?

助手 別にいいじゃないですか!知らなくたって。祝って欲しいんでしょ?

博士 そりゃそうだが…なんか釈然としないな…

助手 いいからいいから!で、何が出来たんです?

博士 うむ。実に画期的な機械なのじゃ!

助手 凄いです!メチャクチャ画期的じゃないですか!博士最高!

博士 まだ何も言っておらんぞ!

助手 だって画期的なんでしょ?前代未聞なんでしょ?

博士 それはそうだが…なんか段々ムカついて来たな…

助手 細かいこと気にしないで!さあ早く教えてくださいよ!

博士 う、うむ。これは、この星のサルの生態を調べる機械じゃ

助手 サルの生態を調べる機械?

博士 そうじゃ。サルの生態を調べるのは非常に難しいのじゃ

助手 知ってます知ってます。あいつらはそこそこ頭がいいですからね

博士 そうじゃ。まず、ずっと見張っているとサルにストレスがかかって客観的なデータが取りにくい

助手 ですよね。さりげなく、見張ってないといけないですもんね

博士 だから、今までいろんな物が開発されてきた

助手 リストバンドとか、マイクロチップを体に埋め込むとか

博士 そう。だが、研究の為とはいえ、サルの体に埋め込むのはなぁ

助手 ちょっと気がひけますねぇ

博士 そうなのじゃ。だから、もっとサルにとって負担少ない物を…

助手 開発したわけですね!それは凄い!

博士 やっと分かってもらえたか

助手 で、どんなものなんです、それは?

博士 これじゃ!

(博士、機械を見せる)

助手 こ、これは…こんな大きくて大丈夫ですか?

博士 大丈夫じゃ。サルの手にはなんとか乗る大きさじゃ

助手 し、しかも、表面はガラス製?落としたら割れるんじゃないですか?

博士 無論、落としたら割れるじゃろう

助手 そんな!そしたら、サルの生態を調べる前に、壊れちゃいますよ!

博士 大丈夫。サルはこれを大事に扱うから

助手 サルが?これを?何故です?

博士 ふふふ。それが今回の開発の味噌よ!

助手 味噌?食べられるんですかこれは?

博士 なわけあるか!ポイントじゃってことよ!

助手 これを、サルの体にくくりつけるわけですね?

博士 そんなことはしない

助手 ええっ?じゃ、どうやって、この製品とサルをくっつけるんですか?

博士 くっつける必要はない

助手 はい??

博士 サルは、これを自分で持ち歩くのだ

助手 サルが?自主的に?この機械を?

博士 いかにも

助手 そんなバカな!どこの世界に、自分でわざわざ機械を持ち歩くサルがいるんです??

博士 それがいるんだなぁ。私の長年の研究によれば、この星のサルは、この機械を大事に扱い、肌身離さず持ち歩くはずなんじゃ

助手 そんな都合のいいことが…

博士 あるんじゃ。だから、超画期的な発明なんじゃよこれは!

助手 分かった!じゃあ、この機械からは、大したデータは取れないんでしょ?

博士 そんなことはない。この機械には発信器が付いているからな。この機械が得たデータは瞬時にサーバーに送信される

助手 どんなデータが取れるんです?

博士 まあ、やりようによっては無限大じゃな

助手 もったいぶらずに教えてくださいよ!例えばどんなデータが取れるんです?

博士 そうじゃな…性別、年齢、行動範囲、睡眠時間、使用言語、資産力、仲間との交友関係、グループ内における階級の位置、嗜好の傾向…

助手 え?そんなに?

博士 工夫すればまだまだデータは取れるぞ。サルAとサルBが同時刻に位置XXXに一定時間内に滞在したらその後AB間で子孫が生まれる可能性が高い、とかな

助手 でもでも、それをするには、調査対象のサル群全個体にその機械を持たせる必要がありますよ。そんなことは現実的に無理でしょ…

博士 いや、それが可能なのだ。この星のサルは、この機械を喜んで持つはずじゃ

助手 何故です?だって、その機械は別にサルに縛り付けるわけじゃないんでしょ?持つ持たないはサルの任意なんでしょ?そんな、サルのプライバシー情報ダダ漏れの機械、サルが喜んで持って、大切に扱うなんて、考えられない

博士 君は考え違いをしているね

助手 ええっ?どういうことです?

博士 君は、サルが得られるメリットを考えていない

助手 メリット?メリットなんかあるんですか?ただの発信器でしょ?

博士 そこが盲点なんじゃよ。ただの調査用の発信器だと思うから、思考停止するのだ。メリットがあれば、サルだってバカじゃない。大事に扱いもするさ

助手 それはそうでしょうけど…。そんな、膨大の情報が取れる機械を、敢えて持つメリットって何なんです?

博士 たとえば、コミュニケーションじゃな

助手 コミュニケーション?

博士 そう。この機械を持つことで、サルAとサルBが遠く離れていても、意思疎通することが出来る。これはサルにとって大きなメリットじゃろう

助手 た、確かに

博士 それに、この機械には最新の高性能CPUが組み込まれているから、ゲーム、調べ物、カメラ、いろんな用途に使えるのじゃ

助手 な、なるほど。確かにそれは便利ですね

博士 で、もともと発信器が組み込まれているから、その機械が持った情報は原理的に全てこちらで頂く事が出来るのだ

助手 わ、わぁぁぁ。サルも気の毒ですね

博士 気の毒?どこが?

助手 だって、そのつもりないのに、いろんな情報を明け渡しているわけでしょ?

博士 こちらとしては大助かりだ。サルの群どころじゃない、この星のサル全体の傾向を読み解くことも不可能じゃない

助手 ちょっと恐ろしくなってきました

博士 ビビることはない。まだ始まったばかりじゃぞ

助手 じゃ、ボスザルが浮気して隣のシマのメスザルに手を出したことも…

博士 まるっとお見通しというわけじゃ

助手 一家がこっそり夜逃げしたとしても…

博士 このマップ上で簡単に補足される

助手 す、凄い…この星のサルの動向は博士の手の中にある…

博士 ふふふ。君は恐れてばかりいるようだが、これはサルという種にとってとても有効なものなのだよ

助手 種にとって?たとえばどんな?

博士 この機械は、遠距離の通信はもちろんじゃが、近距離も通信が出来る。それを使えば、サルの体温を毎日記録して、地域毎にサルの体温マップを作ることも可能じゃ

助手 体温マップ?それが一体何の役に立つんです?

博士 鈍いな君は。たとえば、あるウイルスが流行ったとする。そのウイルスは高熱を伴う。となれば、この体温マップを見れば、いちいち調べに行かずとも、どのエリアでそのウイルスが蔓延しているか、一目瞭然というわけだ

助手 わあああ。それは確かに便利かも

博士 じゃろ?物事、デメリットばかり見ていても仕方ない。積極的にメリットを見いだすことじゃよ

助手 わ、わかりました…これでサルの生態調査はバッチリというわけですね…

博士 ふふふ。実はそれだけじゃない

助手 え?まだ何かあるんですか?

博士 この機械はデータを収集するだけではない。積極的に情報を流してサルの行動を意図的にコントロールすることが可能なのだ…

助手 ええええ????そんなことが????

 

(つづく)

 

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